97年製のハードロックフリークが書き散らかします

1997年7月生まれが独自の視点で愛してやまないハードロックを語っています。

性善説依存症候群

最近Van HalenのDreamsまでもがカラオケで歌えるようになってきたんやけども、この曲の前向きさ・純粋さ・無垢さが偉大すぎた。


1986年、デイヴリーロスが脱退して新しいボーカルにサミーヘイガーを迎えてすぐ、あの名盤である5150で収録された一曲。


よく、ボーカルがハイトーンを歌わせたら右に出る者数少なしなサミーヘイガーVan Halenはハードロック向けの中音域が輝くデイヴに比べればポップすぎるとか興醒めとか、時代の流れに乗るんかよとか揶揄されてるけれども、ボーカリストの僕としてはサミーヘイガーのVan Halenの方が歌いごたえがあって楽しい。



持論ながらも

歌うならサミーヘイガー、弾くならデイヴリーロス

これは絶対。



特に引き込まれた歌詞を僕のガバガバ英語力で訳してみた。


World turns black and white
Pictures in an empty room
Your love starts fallin' down
Better change your tune

世界が白黒になっていく
空っぽの部屋の写真みたいだ
君の愛が壊れ始めるから
考えを変えてみない?


Yeah, you reach for the golden ring
Reach for the sky
Baby, just spread your wings

太陽に手を伸ばそう
空を手にしよう
君の翼を広げて


We'll get higher and higher
Straight up we'll climb
We'll get higher and higher
Leave it all behind

僕たちは高く、もっと高く
上っていくんだ
もっともっと高く
全てを捨て去って


向上心いっぱいで、どこかあどけなさも残しながらもひたすら前向きな歌詞がすごく沁みる。


みんな誰しもこんな澄んだ心の時期があったはず。

僕の見た目は闇堕ちしたバンドマンやけれども、心は誰よりもフレッシュで純粋な自信がある。

僕はそういう意味ではここの一面は幼い頃と変わってない。


ただし、過去の経験から少し攻撃的ではあるけれども、基本的に誰彼構わず攻撃するのではなく防御の一環もあるとか言い訳もするけど、やっぱり他者を攻撃するのは好きじゃない。
それだけに攻撃という手段が容易すぎる余りに少し癖になってる自分が怖い。



なんでも奪い合えば足りなくなり、争いが絶えることが無いけれども、分け合えばきっと争いは起こらなくなる。

奪う人も何かきっかけがあって奪うようになっただけで、気持ちや温もりを一緒に共有すればきっと分かり合える。

僕はずっとそう信じてる。


所謂性善説ってやつ。



だからこの曲と出会ってからは心を入れ替えて、どこでも他者とは有体物にせよ無体物にせよ、なるべく周りの人と共有しながら円満になるよう努めてきた。


幸い僕は何でも疑って自分の頭で考える習慣と、ワールドワイドな人間関係に恵まれた人間らしいので僕自身を満たしてやることはおおよそ僕自身で完結できる。


それでも他者を満たそうなんて無茶やよね。
余計なお世話って思う人もおるやろうし、当然鼻につく人もおって当たり前。


やっぱり社会人1年目に鼻を折られかけたけれども、それでもこの曲を思い出しながらこの曲を聴いては初心に帰って自信を保ってた。


特にコミュニティに所属すると、最初は人の役に立ちたい一心だけなんやけれども、馴染んできてからもその部分を高く評価してもらえることの方が多いやろうけど、中には良く思わない人も一定数必ず存在する。


それを利用され、圧力をかけられるようになり、自身のパフォーマンスが落ちる時も来る。
でもそれが周りに知れたら失望させてしまうので、悟られないようにするためいつしか自己犠牲的な献身をするようになる。



それから潰れて一度は思う、もう良い人間は辞めようって。


そして調子が良くなるにつれて良い人間を辞めよう思考を推し進めるも、他者の善行に触れ、この世界はやっぱり素晴らしかったんだとか一人で感動した後に性善説を胸に再び飛び立つ。


そしてまたおそらく裏切られて傷つくだろう。


それでまた性悪説に走り、世間を知ったつもりになる。


散々絶望した挙句、またどこからか希望の光を見出し、今度こそはと性善説にまた舞い戻る。


そして、自分にも言い聞かせながら小声で囁く。

「僕は強くなった、もう以前の僕とは違う」


そう言いながらも、僕自身はそんなに強くない。

また何度でも折れると思う。


それでも結局最後に戻ってくるのは性善説


So baby dry your eyes
Save all the tears you've cried
Oh, that's what dreams are made of
'Cause we belong in a world
that must be strong
Oh, that's what dreams are made of

だから涙を拭いて
流した涙を忘れないで
それが夢を作るんだから
僕たちの住む世界は
もっと強いんだ
夢はそうやってできているんだよ


僕はどれだけ人に裏切られようと、失望させられようと、捨てられようとも性善説を信じたい。

なぜならそれが僕が思い描く絵空事であり、現実にそうであって欲しいと願う僕の想いでもあり、いつか僕が見た景色でもあり、その世界は僕の妄想の中で既に実現されているから。


その根拠は無い。

理由ならある。
不確定な明るい未来との出会いの可能性。


実際に絶望せずに一筋の光を頼りに死に物狂いでとにかく生きてたら新たな素敵な出会いがあって、その人たちにも支えられて今がある。


そこを捨てたくないし、捨て切れないから。



そして、他の誰でもない存在が水を指してくる。



いつまでそんな茶番やってんの?

善人は利用されるだけされて捨てられるに決まってるやん。


今年に入って精神を病んでから、性善説を狂信してる自身をこうやって激しく恨んで憎んだこともある。


それも今となってはそこまでする必要も無いとまで思えるようにはなったんやけどね。


妄信してしまうと視野が狭まって他の可能性やリスクに気づけないのでバランスを徐々に取れば良いだけってことにも気づけた。


あろうことかそんな自分が好きになった。


こうやって俯瞰した視点に気づくことができて、自分自身の行動原理が納得できたし、僕が生きてるこの世界はやっぱり強くて素晴らしいことの証明にもなったから。



そして最近、再び飛び立った。


性善説を胸に。


高く、もっと高く上を目指すべく、

この世界の素晴らしさを信じて。


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